マネジメント

部下への効果的な叱り方・ほめ方を覚えて指導上手になろう

こんなお悩みを解決します

  • 部下の指導の仕方がむずかしい
  • 上手に成長させる方法がしりたい
  • 部下とよい関係を築きながら叱りたい
ターナー

この記事を書いた私は営業歴26年、年商230億円企業の役員をしています。

まだ成果のでていない営業パーソンの参考になれば幸いです。


自分に役職がついたら、会社のため、部下のために叱ったり、ほめたりして、部下のやる気をださせたり、効率の良い仕事を教えてあげたりしていかなければなりません。


なぜなら、それが会社における出世したあなたの責任と義務だからです。


ですが、時代の移り変わりと共にどのように指導していけばよいかわからない人も少なくありません。


どのように叱って、どのように褒めていくのかをこの記事ではお伝えしていきますね。


怒ると叱るの違いとは

まず始めに、怒ると叱るの違いを把握しましょう。怒るとは自分の感情を相手にぶつけること。


叱るとは相手のことを思って、正しい方向へ導くために、注意したりアドバイスして何がよくないのかを指し示すこと。


つまり、怒るとは自分のために、叱るとは相手のためにするということです。


ですが、相手のために指摘をしたつもりでも相手が怒られたと感じてしまう場合もあります。


そうならないためにも、ポイントを抑えて叱るようにしましょう。


上手な叱り方4つのポイント

上手な叱り方のポイントを見てみましょう。

表情と声のトーン

真剣な顔で、しっかり相手の目を見て話しましょう。そして、ゆっくりハッキリした言葉で、落ち着いた低めのトーンで気持ちをしっかり伝えるのが大事です。

一人の時に叱る

他の人がいる前で指摘されるのは誰も良い気はしません。ましてや後輩の前なら、その人のプライドが傷つけられて逆切れしてくる場合もでてくるでしょう。


指摘するときは「少し時間いいかな?」と言って、違う部屋に連れて行くなどして一対一で話をしましょう。

手短に話す

だらだらと話をしても結局、頭に入らずに嫌な気持ちだけが残ってしまうものです。できるだけ要点をついて伝えたいことだけを伝えましょう。

他の話や過去の話をださない

例えば、遅刻したことを指摘していたのに、いつの間にか違うこと(身だしなみのことなど)になっていたことってありますよね。


何の指摘を受けていたのかわからなくなってしまうので、今、指摘すべきことを指摘しましょう。

もしも感情的に怒ってしまった場合

私たちは人間なので、プライベートで嫌なことがあったときなど、つい感情的になることもあると思います。そんな時は、「つい感情的になってしまってゴメンな」と素直に謝りましょう

 

感情的に怒ったままにしておくと、わだかまりもできますし、相手も前向きに改善するというよりも嫌な気持ちになってしまいます。メンタルの弱い新人なら退職も考えるかもしれません。

 

すぐ冷静になれない時は、少し時間をおいてからでも問題ありませんので、言いすぎて悪かったこということをきちんと伝えましょう。

効果的な叱り方「DESC法」を使用する 

DESC法とは、アメリカの心理学者ゴードン・バウアーらによって提唱されたものです。相手を尊重しながら自分の主張をしたいときにとても便利です。

Describe
【描写する】
客観的に事実のみを伝える
Express
【説明する】
自分の意見や感情を伝える
Suggest
【提案する】
解決策として提案する
Choose
【選択する】
提案の実行、不実行による結果を伝える

(具体例)部下が打ち合わせに遅刻した場合

部下:すみません。渋滞していたので遅れました。

あなた:

D 本日の打ち合わせ15:00からだったのに10分遅刻したよね。しかも、これで2回目。


E 12:00には配達終わるっていっていたよね。休憩をはさんで14:00に現場を離れても十分間に合うはずなのに、なぜ14:30に出発したんだよ。打ち合わせのお客様に迷惑をかけたし、信用できないと思われてしまうよ。


S 今後、余裕をもって行動するためには自分が思う時間より、15分早めの行動をしてみたらいいんじゃないかな。万が一、間に合いそうにないときには最低でも30分前には連絡を入れないといけないよ。


C 15分前行動したら、今日みたいに渋滞して10分遅くなっても間に合う。しなかったらまた遅れる可能性がでてくるよね。

DESC法のメリット・デメリット

  • メリット・・・相手に伝わりやすく、建設的な話し合いになりやすい
  • デメリット・・・自分の意見を強く伝えられない。


原因帰属理論を知る

人は何かが起きた時に誰か(何か)のせいにしてしまいます。

「心理学における帰属とは、出来事や他人の行動や自分の行動の原因を説明する心的過程のこと、すなわち誰かもしくは何かのせいにすることである。」

引用:wikipedia

帰属理論を最初に提唱したのは、心理学者のフリッツ・ハイダーです。その後、複数の研究者によってさらに発展していきました。

成長しやすい人

成功の原因を能力や努力に帰属させ、

失敗の原因を運や努力不足に帰属させる。

成長しにくい人

成功の原因を課題の難易度や運に帰属させ、

失敗の原因を能力に帰属させる。

        

失敗の原因を能力に帰属する人は「何をしてもムダだ」というあきらめの気持ちが強くなり、達成動機が低下します。


失敗の原因を努力に帰属する人は「自尊心が満たされ、努力すれば成功できるという成功期待も高い状態」とされています。


すなわち、叱るときは運(タイミングが悪い)や努力不足(行動が弱い、勉強不足)を指摘するとよいでしょう。


ターナー

次は褒め方を見ていきましょう。


部下を褒める必要性

部下を育てるためには、業務の流れを教えたり、叱ったりしないといけませんが、忘れてはいけない大事なことがモチベーションを上げることです。


モチベーションが上がると仕事も一生懸命できますし、なにより楽しく取り組めるようになります。


人は褒められると脳から快楽ホルモンのドーパミンが分泌されます。仕事を頑張ると褒められる」ということが繰り返されると仕事が好きになるんです。


褒める人も考えながら褒めるので、脳が活性化されて思考力が増しますし、自分もモチベーションが上がります。


なので、褒める側も褒められる側も共にモチベーションが上がっていくという相乗効果が生まれるのです。

褒める時に気を付けること

何でもかんでも褒めればよいということではありません。逆にモチベーションを下げたり、成長を止めてしまったりすることもあります。ここでは気を付けるポイントを紹介します。

褒めどころが間違っている

あきらかに難易度が低い仕事に対して「すごいね」と褒めると、バカにされていると勘違いされかねません。その人のレベルに応じて、適した褒めどころを探しましょう。

他人と比較しない

一般的な団体(若い世代、新人、その業界など)と比較するのは問題ありませんが、特定できる個人と比較して褒めると、比較した相手を下げることになるので褒めた相手もよく思わず、逆効果になってしまいます。

いつも褒めるだけになっている

褒めるだけで終わらずに、次のステップにいけるようにアドバイスや改善点も同時に伝えてみましょう。さらに成長してくれるはずです。

気持ちが入っていない

褒めることが仕事の一連の流れとなり、気持ちが入らなくなる場合があります。気持ちが入っていないと表情や声のトーンに表れるので心を込めて褒めましょう。

部下への効果的な褒め方

上の表にあるように、能力や信念・価値観を褒めると効果的です。とくに成功体験を褒めることによって自己肯定感が高まります。

自己肯定感(じここうていかん)とは、自らの在り方を積極的に評価できる感情、自らの価値や存在意義を肯定できる感情などを意味する言葉である。

引用:wikipdia

ようするに、仕事においての「自己肯定感が高まる」とは、難しいことや苦手なことに直面したとしても、前向きに自信を持ってチャレンジできるようになるということです。

上手に褒める4つのポイント

上手に褒めるポイントがあるので見てみましょう。

変化を褒める

部下の成長する過程を認めて、褒めましょう。「入力が早くなったね」「段取りが早くなったね」など、以前の部下自信と比較して成長したところを褒めましょう。

第三者を通じて褒める

直接、褒めるだけではなく、第三者から「〇〇さんがあなたのこと褒めていたよ」と言われると、直接褒められるより効果があります。


これを、心理学で「ウィンザー効果」といいます。ウィンザー効果とは、当事者が発信するよりも第三者が発信したほうが信頼性が増す効果のことです。


なぜ信頼性が増すかというと、第三者は直接利害関係にないのでその情報に信頼性がうまれるのです。


逆に言えば、第三者から悪いことを聞いたときは逆効果になり、信頼も失ってしまいます。


ウィンザー効果以外にも、心理学を使ったテクニックが書かれている記事はこちら。

合わせて読みたい


みんなの前で褒める

1対1より、大勢の前で評価されたほうが、承認欲求が満たされて自己肯定感も高まります。

時間をおかない

部下が何か達成したときなど、部下も褒めてほしいと思っているものです。褒めるタイミングが遅れると効果が薄くなるので、早いタイミングで褒めましょう。

まとめ

上司の最も重要な仕事は、部下をマネジメントして成長させることです。成長させることで、会社も部下も上司も全員に良い効果が生まれます。


部下を上手に叱って、上手に褒めて、一人前にしてあげましょう。一人前になるまでは大変だと思いますが、経験を積んで一人前になったときに、きっとあなたに感謝します。


そして、ずっと大切に思ってくれる関係になると思いますので、嫌がらず、根気よく部下のために指導していってくださいね。


この記事を最後まで読んでいただきありがとうございました。

  • この記事を書いた人

ターナー

【営業歴26年】営業経験を5年経た後、年商5千万円、従業員数5人の小さな関連会社の責任者になりました。21年たった今では、年商25億円、従業員数100名を超える会社へと発展させて、年商230億円企業の取締役も兼任しています。

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